外壁塗装用塗料の種類と選び方
外壁塗装に使用される塗料は種類が多く、塗り替えを計画されている方にとって、わかりにくい点も多いと思います。
このページでは、主に戸建て住宅の外壁塗装に使用される塗料について、その特徴、選び方のポイントなどをわかりやすく分類し、紹介しています。
このページの目次
外壁塗装用塗料の種類
塗料のグレード
水系塗料と溶剤系塗料
外壁用弾性仕上塗材
塗料の艶(つや)について
外壁塗装用塗料選び・5つのキーワード
外壁塗装用塗料の種類
外壁塗装に使用される塗料
外壁塗装に使用される塗料はそのほとんどが合成樹脂塗料です。
その中で主なものは、次ぎの6種類です。
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
合成樹脂調合ペイント | 3~5年 | 従来最も多用されてきた塗料。安価。 |
アクリル樹脂塗料 | 5~8年 | 油性ペイントより耐候性に優れ、色あせしにくい。 |
ウレタン樹脂塗料 | 8~10年 | 耐久性、耐候性、耐薬品性に優れ、多方面で使用されている。 |
アクリルシリコン樹脂塗料 | 10~15年 | フッ素樹脂に次ぐ高耐候性。 住宅の塗り替えに推奨品。 |
フッ素樹脂塗料 | 15~20年 | 高耐候性で塗膜はガラス質に近く、 汚れも付きにくい。高価なのが難点。 |
光触媒塗料 | バインダーの種類にって差がある | 開発されて日が浅いが高耐候性、防汚性は望める。 |
光触媒塗料
- 光触媒塗料では、光色媒体のバインダーとして使用する樹脂によって、その耐久性は異なってきますので、選定時には確認が必要です。
- 光触媒塗料とフッ素樹脂塗料の価格は、ほぼ同じぐらいで推移しています。
バインダーの種類、メーカーによって差があります。
無機塗料
有機・無機ハイブリット型長耐久性塗料は、フッ素樹脂塗料の約1.5倍長持ちします。
ラジカル制御型塗料
塗膜の劣化の大きな原因は紫外線によるものです。
紫外線により発生するラジカルを封じ込める「ラジカル制御」技術により塗膜の劣化を抑制して耐候性を高めた塗料です。
耐用年数は、過去の実績から推定される数値です。
塗膜の劣化は紫外線の照射による影響が大きく、同じ建物でもその向き、部位によって異なってきます。
朝陽から西日まで陽射しを受ける南面と、日射の少ない北面とでは、同じ経年でも大きく劣化程度に差が出ます。
上記表での「耐候年数は」一般的な期待年数とお考えください。
塗料の価格と耐久性の関係を、わかりやすく図にしてみました。
この図からも、価格と耐久性は比例しているのがわかります。
塗装工事のご計画には、グレードを参考に塗料の選定をされると良いでしょう。
水系塗料と溶剤系塗料
- それぞれの樹脂塗料に水性 ( 水系 ) と油性 ( 溶剤系 ) があります。
水性だから油性より耐久性が悪いということではありません。
大切なのは、何に塗装するのかということです。
DIYでご自身が塗装される場合は鉄部、屋根トタンなどには一般的な水性塗料の使用は避けてください。
耐摩耗性に問題があります。 - 水性と油性を論ずるとき、耐候性の比較は正しくはありません。
塗装しようとするものの材質によって、水性と油性は使い分けなければなりません。 - 最近の塗料の架橋技術や、ナノテクノロジーの発達は水系でも、非常に強靭な塗膜を生成したり、光触媒塗料に代表される高度な付加価値を持った塗料もあります。
- 最近の溶剤系の塗料は、環境に優しい弱溶剤系が多く使われるようになっています。
今後、石油の消費量を極力抑えた環境型塗料が、主流を占めるようになるでしょう。
外壁用弾性仕上塗材
- 塗料には、硬化した塗膜が硬質なタイプのものと、弾性タイプのものがあります。
被塗物 ( 塗装しようとするもの ) によって、どちらかのタイプを選択します。 - 外壁用の弾性仕上塗材は、モルタル壁の乾燥収縮から来る細かいクラック対策用ですが、ある程度の膜厚に塗り込まないと、その効果は期待できません。
従って、この塗材の薄塗り仕上げは、ひび割れ対策にはほとんど効果がありません。 - 各メーカーからいろいろな特徴を持った製品が出ていますので、パンフレットを取り寄せ、その特徴を検討するのも良いでしょう。
塗料の艶(つや)について
- つやがあると、見た目がきれいで埃も付きにくい。
- つやは控えめのほうが、落ち着いていて高級感も得られる。
- 最近つや消しでも、汚れに強いタイプの塗料もありますので、一概につや消しは汚れやすいとはいえなくなっています。
- 住宅の内部の場合は、なるべくつやを抑えたほうが落ち着いた雰囲気に仕上がりますのでおすすめですが、外部の場合は、あくまで嗜好の問題で選択してよいでしょう。
外壁塗装用塗料選び・5つのキーワード
見積りを依頼したときなど、業者から塗料の製品名で提示されることがあります。
そのような時は、カタログやパンフレットなどで、次のキーワードについて確認していただければ、その塗料の特徴が良くご理解いただけるものと思います。